寒くなると、冷え症に悩む方も多いですよね。
年を取るごとに、冬の気温が年々下がっているように感じるのは私だけではないはず!
「冷えは万病のもと」と言われるように、冷え症を改善すると少し健康になれるかもしれません。
冷え症を内側から改善するために、普段の食事や生活習慣を見直してみませんか?
冷え症改善に効果的な食べ物と飲み物
東洋医学では、あらゆるものを「陰と陽」に分けて考えるのですが、食べ物も体を冷やす陰性食品と、体を温める陽性食品に分かれます。
陰性食品…温かい土地が原産で、夏が旬、色が薄く、水分が多いなどが特徴の食べ物
陽性食品…寒い土地が原産で、冬が旬、色が濃く、水分が少ないなどが特徴の食べ物
冷やしも温めもしない食品は、間性食品と言われます。
こうして見ると、旬の食材を食べるのは理にかなっているんですね。また、添加物や農薬などを含む食べ物は、陰性食品に分類されます。
冷え症を改善するのに効果的な食べ物は、当然陽性食品です。しかし、陰性食品でも食べ方を工夫するだけで、冷え症の改善に効果的なことがありますよ。
野菜
冷え症の改善には、冬が旬の野菜がおすすめです。
冬が旬のものが多く地下で育つ根菜類は、体を温める食材です。中でも生姜は、体を温める食材として有名ですよね。生姜は漢方薬でも多く使われています。
生姜には「ショウガオール」という成分が含まれていますが、熱を加えることでその働きがアップします。生姜の皮にそのような成分が豊富なので、できれば皮ごと調理したいですね。
更に、生姜を乾燥させると加熱した時以上の効果があるんです。
乾燥生姜の作り方は簡単!
生姜をスライスし、風通しの良いところで1〜2日乾燥させます。それを飲み物やスープなどに加えるだけで、効果が期待できますよ。
果物
水分が多い果物は体を冷やしそうですが、体を温める果物もあります。寒い土地で育つりんごがその代表。
暑い土地で育つ果物は、食べすぎに注意が必要です。
タンパク質が豊富な食べ物
体の中で熱を生み出すために、タンパク質が必須です。筋肉が熱を生み出しますが、その筋肉を作るためにタンパク質が使われます。
肉、魚、豆などを積極的に取り入れましょう。肉の脂身は体を冷やす食材とされます。
陰性食品とされる豆腐をお味噌汁に入れて食べたり、冷奴に生姜をのせて食べたりすることで、体を冷やさずに食べることができますよ。
発酵食品
発酵食品は体を温める食材として、冷え症改善に効果的です。
間性食品に分類される大豆も、納豆のように発酵食品にすることで陽性食品に変わります。陰性食品の牛乳も、発酵させてチーズにすると陽性食品になります。
昔の人はそうやって、いろんな食材を暮らしの中で体に優しい取り入れ方をしてきたんですね。
炭水化物
白い食べ物は体を冷やすと言われます。白米や小麦粉などは、体を冷やす陰性食品に分類されます。
玄米や全粒粉、そばなどは間性食品です。
香辛料
香辛料というと辛いものをイメージしがちですが、パクチーやシナモンなど香りが強いものも香辛料に分類されます。
香辛料には、内臓を刺激して働きを活発にしたり、消化を促したりする効果が期待できます。
薬として使われることも多く、体を内臓から温めて、内臓を元気にしてくれます。
飲み物
紅茶や烏龍茶などは、緑茶と同じ茶葉を発酵させています。
ココアに含まれるカカオポリフェノールには、血管を拡張させる効果があります。
日本酒・甘酒や赤ワインは、発酵したお酒です。
これらは、冷え症の改善に効果が期待できます。寒い時期に温かい飲み物を飲んでホッと一息つくことで、リラックスできると自律神経が整い冷え症の改善にも繋がるんです。
コーヒーや緑茶に含まれるカフェインには利尿作用があり、体を冷やす原因になります。夏に美味しいビールなどのアルコールも、体を冷やしてしまいます。
冷え症は体が冷えるだけじゃない!?その他の症状をチェック
冷え症と言っても、人それぞれ冷え方や冷えてしまう場所も違いますよね。
さらに、冷え症は手足が冷たいとか、体が冷えてしまうだけではないんです。
冷え性と冷え症
まず「ひえしょう」という言葉ですが、漢字で書くと「冷え性」と「冷え症」という2つの言葉があります。
同じじゃないの?と思うかもしれませんが、ちょっとだけ意味が異なります。
「冷え性」は西洋医学の考えで、冷えやすい体質として使用されます。検査をしても異常は無いけど体が冷えたり寒いという症状を、その人が持つ体質と考えて「冷え性」として表します。
一方「冷え症」は東洋医学の考えで、体が冷えると言っても人それぞれ症状が違ったり、冷えるのはどこか体に原因があるとして、治療の対象となる病気とします。
手足が冷えたり寒いという状態は同じですが、捉え方が違うんです。
冷え症で引き起こされる症状
- 手足やお腹が冷たい
- 関節痛・腰痛・肩こり
- ほてり・のぼせ
- 朝起きられない
- 膀胱炎・頻尿
- 肌荒れ・くすみ
- 疲れが取れない
- 低血圧
- 生理不順・生理痛・PMS
- 便秘・下痢
- 自律神経失調症・不眠症
- 動悸・めまい・耳鳴り
- 風邪をひきやすい
- 胃痛・胃もたれ・お腹の張り など
これらは冷えが原因で引き起こされることがある症状です。
冷え症とは、血流が悪く体の隅々にまで血液がうまく行き届かなくなることで起こります。
そのため、必要な栄養や酸素が体全体に届かないので、体が冷えてしまったり、その他にも体に不調があらわれてしまうんです。
冷え症になる原因を改善しよう
食べ物で内側から冷え症を改善することはとても大切で効果的ですが、まずは冷え症の原因を見つけてみると、より早く改善できるかもしれません。
では体が冷えてしまう原因は、どんなところにあるのでしょうか。
1つずつご説明しますね。
栄養不足
ダイエットや偏った食生活をしていると、体がうまく熱を作れなかったり、血流が悪くなり全身に栄養が行き届かなくなり、冷え症の原因になってしまいます。
- ビタミンE・・・血管を拡張して血行を促進し新陳代謝を高める
(かぼちゃ、アボカド、アーモンド、ピーナッツ、ごま、アジ、など) - ビタミンC・・・鉄分の吸収を助ける
(いちご、グレープフルーツ、キウイ、じゃがいも、ピーマン、など) - ビタミンB群・・・糖質、脂質、タンパク質をエネルギーに変える
(豚肉、うなぎ、レバー、卵、チーズ、納豆、ししゃも、サバ、など) - タンパク質・・・筋肉を作り熱エネルギー源になる
(肉類、魚類、大豆製品、乳製品、卵、など) - 鉄分・・・血液を作るのに必要で体の隅々に酸素や栄養を運ぶ
(レバー、ひじき、赤身の肉や魚、あさり、小松菜、ほうれん草、など)
これらの栄養素は、冷え症改善に効果的です。
栄養をうまく体内に吸収し、全身の隅々にまで運ぶことが大切です。
筋力不足
私たちの体は、食べ物を消化する働きの他に、筋肉の運動により体内で熱を生み出します。
筋肉が不足すると作り出す熱も少なくなり、熱を蓄えたり全身に血液を送り出す力も弱くなってしまいます。
運動不足や加齢によって筋肉が少なくなってしまうと、冷え症が悪化してしまうという訳なんです。
体の中でも特に足を鍛えるのが効果的です。歩いたり、階段を使ったり、スクワットをしたりして、足を動かすことを意識してみてください。
自律神経の乱れ
体温は自律神経によってコントロールされています。
ストレスや過労、不規則な生活などで、自律神経が乱れて交感神経が優位になり続けることで、血流が悪くなり冷え症に繋がってしまいます。
また、エアコンを使用することで室内と外との寒暖差ができると、人間の自律神経は乱れてしまいます。寒暖差が7度以上になると、人間は自律神経をうまくコントロールできなくなってしまうんです。
これらは現代病とも言えそうですね。
自律神経を整えるには、リラックスすることが大切です。深呼吸をしたり、温かい飲み物を飲みながらホッと一息ついたりしてみてください。
寒い格好をしている
体内の熱を放出してしまうと、体は冷えてしまいます。
昔、おばあちゃんに「3首を温めなさい」と言われた経験はありませんか?
これは理にかなっていて、首、手首、足首には太い血管が皮膚の近くを通っていて、そこを温めることで効率よく全身を温める効果があるんです。
最近ではそこに「くびれ(お腹)」が加わり、4首を温めることが効果的と言われています。
冷え性を改善すると痩せる?体を温めるメリットは!?
「冷えは万病のもと」と言われるように、体を温めることで私たちの体に与えるメリットがたくさんあり、健康でいる手助けをしてくれます。
簡単に体を温める方法は、毎日の入浴はシャワーで済まさずになるべく湯船に浸かって全身を温めることです。
さらに水圧によってむくみが改善して血流がよくなったり、リラックスすることで自律神経が整う効果も期待できますよ。
体を温めることで期待できる効果をご紹介します。
基礎代謝量アップ
筋肉は熱を生み出すために多くのエネルギーを消費するので、体温が上がるということは、その分筋肉が熱を多く生み出しています。体温が1度上がると、基礎代謝量は13%もアップするんです。
筋肉が少なく基礎代謝量が少ないと、体温を保ったり生命維持するために使われるエネルギーの量が少なく1日の消費カロリーが減ってしまいます。
体を温めることは、消費カロリーアップになるので、痩せやすい体になると言えます。
免疫力アップ
私たちの血液の中にある白血球には免疫機能があり、体内を巡りながら異物のパトロールをしています。血液は体内に栄養や酸素を届けながら、老廃物を回収する働きをしているんです。
冷え症を改善して血流を良くすることは、免疫機能の働きを高めることになります。体温が1度上がると、免疫力は5〜6倍にアップすると言われています。
免疫システムが正常に機能するのは36.5〜37.1度です。ガン細胞は35度台で1番増殖するとされています。
老廃物を排出してアンチエイジング効果
冷え症が改善し体温が上昇することで、内臓の働きが活発になり、新陳代謝が上がります。
そうすると古い細胞のターンオーバーが正常に行われ、老廃物や毒素が排出されやすくなり、老けにくくなると考えられます。
妊活に効果的
女性の体は筋肉量が少なく脂肪が多いので、男性よりも冷えやすいんです。
血液は生命維持に必要な心臓などの臓器に優先的に送られるため、子宮や卵巣は後回しになってしまい、その分お腹も冷えやすくなってしまいます。
子宮や卵巣への血液循環が悪いと、排卵しなかったり着床しなかったりと、うまく機能しなくなってしまうんです。
体を温めて血液の循環をよくすることで、子宮や卵巣にまで血液が巡り、妊娠しやすくなると言われています。
妊娠中や授乳中にも効果的
妊娠中は大きくなるお腹の重みの影響や運動不足によって、血流が悪くなりさまざまなマイナートラブルが出てきます。
妊婦さんは、胎盤を通してお腹の赤ちゃんにも栄養を運んでいます。血流が悪いと、赤ちゃんに十分な栄養が届きづらくなってしまいます。
また、母乳は母親の血液から作られるため、血液循環が悪いと母乳が出づらくなってしまうんです。
妊娠前から冷え症を改善し体を温めることは、とても大切なことなんです。
「冷え症改善に効果的な食べ物をご紹介!冷え症が治ると健康になる!?」まとめ
- 冷え症の改善に効果的な食べ物と飲み物
- 暑い土地の原産のもの
- 冬が旬のもの
- 土の中で育つもの
- タンパク質が豊富な食べ物
- 発酵食品
- 香辛料
- 紅茶やココアなどの温かい飲み物
- 冷え症で引き起こされる症状は、体の冷えだけではない
- 栄養不足、筋力不足、自律神経の乱れ、寒い格好をするなどの、根本的な冷え症の原因を改善しよう
- 冷え症を改善することで、基礎代謝量のアップ、免疫力のアップ、アンチエイジング効果、妊活に効果的、妊娠中や授乳中も効果的、などさまざまなメリットがある
冷え症を改善することは、体に備わっているさまざまな機能を正常に働かせることに効果があります。
ただ体が冷えているだけではなく、その裏に何か体の不調が隠れているかもしれません。
毎日体に取り入れる食べ物を意識して体の内側から改善したり、規則正しい生活を心がけてみるのもいいですね。
ぜひ、自分の体と向き合うきっかけにしてみてくださいね。